最近は食の安全の意識の高まりから、できるだけ新鮮で安全な野菜を買って食べたいと考えて近くのスーパーでも国産の野菜を選んで買ったり、少し遠出をして高級スーパーやファーマーズマーケット、直売所などで野菜を買ったりしている方が増えてきています。
「国産の野菜だから安心」
「すこし高価でも野菜をつくる生産者の顔が見えているから安心」
と考えている人は多いですが、それは本当に安心できる新鮮な野菜なのでしょうか?
今回は野菜を買う上でおさえておきたい、新鮮で安心できる野菜を買うための2つのポイントをお伝えしたいと思います。
国産だからといってまったく安心してはいけない
国産の野菜だから安心という方は本当に多いですがこれは大きな間違いです。
日本にいると海外の野菜は危ない、輸入物は農薬漬けの野菜という話をどこからか耳にして、国産は安全なのだと思い込んでいますが、現実はそうではありません。
あまり知られていませんが、実は野菜をつくる面積あたりの農薬使用量でみると、日本は世界第3位を維持しています。
つまり世界で3番目に多く農薬を使っているということになります。
輸入の野菜に関しては、もともと危ないと思う頭の中のフィルターがあり厳しくチェックしている方は多いと思いますが、国産の野菜に関しては、野菜に県名が書いてあり、野菜をつくった名前が書いてあれば「これは日本で日本人が作っているから安心」と考えるだけであまり深く考えずに購入している人がほとんどです。
・どれだけの農薬が使われてきたのか?
・収穫されてからどんな風な温度管理がされてここまできたのか?
・収穫されてからいったいどれだけの日にちがたっているのか?
本当に新鮮で安心できる野菜を買いたいのならば、国産だからと安心するのではなく、それぞれの野菜に対して最低でもこれだけのことは考える必要があります。
しかしスーパーなどでこれをすべて聞くということは正直難しいです。
(というか聞いてもまず店員さんは知りません)
ただしファーマーズマーケットや直売所にかぎっては、その野菜を作っている人と話すことができることもあるので、タイミングがあえば実際にこのあたりを聞いてみることをオススメします。
そして聞いてみてあまり説明できない時には、いくら生産者の顔が見えていたとしても、その野菜は安心できるとはあまり言えないかもしれません。
ただ、ファーマーズマーケットに出店する農家さんはほとんどが自分の野菜にこだわりと安心をもっていて、もっとたくさんの人に知ってもらいたい!と思って販売に来ている農家さんが多く、話してみると売っている野菜のなかからも新鮮な野菜を教えてくれたりするのでオススメですよ。
野菜だけでなく売り場を見る
前項ではファーマーズマーケットについて述べましたが、次はスーパーや百貨店の野菜売り場などでの新鮮で安心できる野菜の見抜き方をお伝えしたいと思います。
スーパーで野菜を買うお客さんを見ていると目当ての野菜を見つけたら、その野菜を手に取り自分のもつ知識を使って、よい野菜かどうかを考えている人をよく目にします。
確かにその方法はそこで売っている野菜のなかでいいものを見抜くことはできますが、そのスーパーのなかで一番よいものなのかということは見抜くことはできません。
ではいったいどのようなことに注意すれば新鮮で安心できる野菜を見抜くことができるのでしょうか?
それはずばり野菜のそばにPOPがあるかどうかを確認するです。
最近は高級スーパーでなく普通のスーパーでも、野菜売り場に行くと農家の顔写真や風景、野菜のこだわりが書いてあるPOPが近くにおいてある野菜を目にすることがあります。
実はこのPOPはそのスーパーで作られているのではなく、その野菜を作っている農家が作成していることがほとんどです。
野菜をつくってただ流通に乗せているのではなく、できるだけ食べる人にその野菜について知ってもらいたいと考える人に作られた野菜は、正直かなり安心できる野菜といえます。
またそういった農家は、野菜作りだけでなく野菜の配送に関してもできるだけ新鮮にお届けしたいと考える人が多いので鮮度も抜群です。
ただしここで注意してもらいたいのは、そのPOPが農家がつくったPOPであるかどうかということです。
スーパーなどにあるPOPの中には、そのスーパーの店員さんが作ったPOPもあります。
このPOPはスーパーが今売りたいものについていることが多いので、それは安心できる野菜を見抜くためのポイントにはなりません。
スーパーの店員さんはあくまで販売のプロであって、野菜作りのプロではありません。
中にはそれぞれの野菜の基本について勉強し、実際に仕入れている野菜の農家さんに話を聞いてその野菜について理解して販売しているという店員さんも稀にいますが、ほとんどの野菜売り場がそうではないので、農家のつくったPOPを見抜くことが無難だといえます。
ではいったいどのようにしてPOPの違いを見抜けばいいのでしょうか?
実は農家の作るPOPを見抜く方法は簡単です。
スーパーの店員が直接つくるPOPはだいたい型が決まっていて、野菜売り場だけでなく、そのスーパー全体を見渡したときにその傾向が見えてきます。
一方農家の作るPOPは、それぞれの農家さんの個性というものが強く出ているので、その型にはまっていないものが、農家オリジナルのPOPであることがわかります。
以上のことに注意して、野菜を買う際には野菜だけでなく、売り場の様子を見てみましょう。
遠出をせず近場のスーパーでも、掘り出し物の新鮮で安心できる地方のこだわり野菜を買うことができるかもしれません。
野菜からその野菜をつくる農家さんのことを見抜こう!
ファーマーズマーケットとスーパー、それぞれの新鮮で安心できる野菜を見抜くポイントを紹介させていただきましたが、どちらにも共通していえることは、野菜だけでなくその野菜をつくる農家のことまで考えるということです。
冒頭部分でもお伝えしましたが、日本は現状農薬使用大国で国産のものだからといって安心できるとは限りません。
しかしすべての国産野菜が危ないというわけではなく、しっかりとした管理で、規定の農薬使用量よりもできるだけ使用量を減らし、できるだけ新鮮な状態で皆さんのもとへお届けしたいと考えている農家もたくさんいます。
しかし中には無農薬で育てたわけではないのに無農薬と記載したり、厳密な有機農法ではないのにも関わらず有機農法野菜などと書いたりしている野菜を目にすることもあります。
田舎のこんな自然の中で育てている野菜だから、
こんなに他の野菜と比べて高価だから、
と安易に考えるのではなくその野菜をつくった農家のことをよくイメージしてみましょう。
このイメージが具体的にでき、実際に情報を得れる野菜をつくる農家の野菜を見抜くことが、これから新鮮で安心できる安全な野菜を買うための一番のポイントです。
新鮮で安心できる野菜を手に入れるためにも、これからは少しずつでいいので野菜だけでなく、農家のことも知っていきましょう。