お店で野菜を買う時に皆さんはどんなところを意識して選んでいますか?
見た目のきれいなもの、値段が安いもの、テレビ番組で見た新鮮な野菜を見分ける方法を実践して、それぞれがいろいろなポイントに注意して選んでいると思います。
そんな皆さんの野菜を選ぶ上でのポイントに、是非とも追加をしていただきたいポイントがあります。
このポイントは皆さんのなかでも野菜の安心・安全に興味があり、そういった方におすすめの野菜を見分けるポイントです。
まだ生産者の農家でも知っている人は少なく、普段野菜を買う消費者である皆さんのところまでは出回っていないので、是非ここで覚えて実践してみてください。
野菜の袋をよくみてみよう。
皆さんは野菜を購入するときに、野菜売り場のPOPや野菜が入っている袋にこんなマークや番号がついているのを見たことはありませんか?
小さく表示されていて、なかなか見つけることは難しいのですが、これが今回紹介さしていただきたい新鮮で安心できる野菜を見抜くためのポイントになります。
マークにも書いてあるようにこれは「GAP」という認定をとれている野菜にだけつけることができる特別なマークになります。
いったいGAPとはなんなのか?というと、
簡単に言うと、国または世界基準でこの野菜が安心できるものですよという保証のようなものです。
GAPを取得するためには、その野菜をつくっている農家は厳しい審査に通る必要があり、野菜を育てる計画段階から皆さんのもとへお届けするまでの間に約200の検査項目をすべてクリアする必要があります。
日本の野菜は国内での評価は高いですが、海外での評価はそれほどではありません。それはこのGAPというものを取得している農家の数がまだまだ少なく、いくら日本人が安全といったところで世界基準では安全が保障されていないからです。
実際に2020年に開催される東京五輪・パラリンピックで選手村などに使用される野菜にはすべてこのGAPという認定を取得している農家の野菜しか使用できないという決まりがあるのですが、現在の日本のGAP取得率は1%にも満たず、輸入をしなければならないのではないかと心配されています。
JGAPとGGAP?
このように世界基準で安心できる野菜の象徴として使われるGAPですが、このGAPの中にも違いはあります。
それはJGAPとGGAPです。
厳密にはまだまだたくさんあるのですが、今はこの2つのことだけさえ知っておいていただければ、他の人にはわからない新鮮で本当に安心できる野菜を見抜く力を身につけることができます。
この図はそれぞれの農家の取り組み比較になります。
JGAPは日本の作った基準(一般財団法人日本GAP協会)、GGAPは世界の標準基準(ドイツのFoodPLUS社)によってつくられたものとなります。
図を見ていただけるとわかるように、今日本で農業を行っているほとんどの農家と比べて食品の安全面だけでなく、人への配慮や環境への配慮など様々なことに取り組んでいます。
JGAPでも十分厳しい検査を実施する必要がありますが、GGAPは世界基準ということでJGAPよりも検査の項目が多く、検査の申請も英語で提出する必要があるなど、まだまだ取れる農家の数は多くありませんが、今世界で一番安全な野菜を見分けるときには、全世界共通でこのGGAPが基準になっています。
JGAPに関してもとても厳しい検査が行われ、さらに世界基準に対応できるように検査項目を追加したASIAGAPというものもあります。
GGAPの野菜はまだまだ日本では目にすることは少ないかと思いますが、JGAP、ASIAGAPとともにこれからどんどん目にすることが増えていくのは間違いないのでぜひ頭の中にとどめておいてください。
他人が評価した野菜が本当に安全で安心できる野菜!
今は様々な場所で、無農薬や有機農法などと安全で新鮮な野菜だと自称している野菜を目にすることがありますが、その野菜は本当に安全で安心できる野菜なのでしょうか?
ファーマーズマーケットなどで皆さん対農家の人が直接話をして販売している野菜に関してはある程度信頼できますが、地方の直売所や無人販売所に段ボールに手書きで「無農薬」などと書いてある野菜は、私は正直まったく信用していません。
また本当に無農薬で育てられていたとしても、
その野菜はどんなところで洗浄されたのか?
洗う時に使った水は本当にきれいなのか?
作業員は清潔にしているか? など
野菜そのものについてだけでなく、どうやって私たちの元まで来たのかが大切になります。
この証明をするためにも他人、第三者がしっかりと検査をし、自分1人が新鮮で安全な野菜ですというのではなく、その野菜の後ろに明確な安全性が証明されていることが重要です。
こんな大自然で育っているからや、テレビでこう言っていたからなどという情報だけでなく、こういった正しい新鮮で安全な野菜の見抜き方も身につけ、より良い野菜を選び食卓をより良いものにしていきましょう。