野菜嫌いの子供がおばあちゃんの作った野菜は食べられる!
お店に売っているピーマンは苦手だけどおじいちゃんが育てたピーマンなら食べられる!
なんて声をたまに耳にすることがあります。
同じタネからできた野菜でも、自分のおじいちゃんやおばあちゃんが育てた野菜ならおいしく食べることが出来る。
これは私たち人間が食事をする際、味覚や嗅覚といった5感だけでなく情報も一緒に取り入れていることが大きく影響しています。
「人は食べものという実体だけでなく、情報という属性も食べている」
これからお話する内容は、おじいちゃんおばあちゃんの野菜だけでなく、普段食事をする際にも活用できることなのでぜひ今回の話を覚えておいてこれからの食事にも取り入れてみてください。
情報を知るとなぜおいしく感じるのか?
自分のおじいちゃんやおばあちゃんが作った野菜、もしくは自分自身が育てた野菜はなぜおいしく感じるのでしょう?
これは人がその野菜の「情報」。
つまりその野菜のことをどれだけ知っていて、そこにどのような思い入れがあるのかといったことが大きく関わってきています。
一言に情報といっても様々な情報があります。
「この野菜はこの間テレビで食通芸人の〇〇さんが絶賛していた」や「おいしいと評判の高級店で通常価格より3倍以上もする」といった、周りからの評価や前情報、高価格への期待など情報の種類は様々です。
そしてこういった情報を聞いた人の期待値は知らず知らずのうちにどんどん高まっていきます。
情報量 = 期待値の増加
実際に口にする時には「国産」「おいしいと評判」「とても高価」などといった情報を付与することで、情報をなにも知らない時には感じることのできない「食の裏側のおいしさ」を味わうことができるのです。
思い出をトッピングする!
こういった知識・評価・価格といった一般的な情報だけでなく、
「その食品とこれまでどれだけ関わってきたのか」
「その食品とじぶんの間にどんな関係があるのか」
といった食品との距離もおいしさに大きな影響を与えます。
おじいちゃんおばあちゃんの作る野菜がよりおいしく感じるのはこれが大きく関係していますね。
自分のおじいちゃんやおばあちゃんが育てた野菜、つまり自分が信用している人が育てた野菜は、それだけで他の人の野菜に比べても安心して食べることができます。
さらに実際に育てている様子を知っていたり一緒に野菜作りを手伝ったりすると、その野菜と自分との距離が近くなり、顔も知らないプロの農家が育てた野菜と比べてみてもおいしく感じることがあるほどです。
「自分が安心できるものを安心して食べる」
これはおいしさを感じる上でとても重要な前提条件です。
次の図はそんなそれぞれの状態の野菜の情報量(思い入れ)を表した表になります。
矢印の範囲が長く、かかわりの多い野菜ほどより安心感が強くなってきます。
図を見てもらうとわかるようにスーパーで買ってきた野菜に比べると、おじいちゃんやおばあちゃんが育てた野菜、自分が育ててきた野菜はその野菜との関わりは強く、自分の安心感もより強いものになっていきます。
こういった、
毎日あんなにも手をかけて育てていた、
毎日あんなにも手をかけて育ててきた、
という普段スーパーで購入した野菜を買っただけではわからない情報もどんどん蓄積され、この情報や思い入れは食事をしておいしいと感じる大きな要因のひとつになっているのです。
よりおいしく食べるために野菜のことをもっと知ろう!
野菜そのものの味や匂い、その時の体調やムードといった食事への影響と同じで、その食品の情報というものはおいしさを感じるための大切な要因のひとつです。
おじいちゃんやおばあちゃんが育てた野菜や自分が作った野菜だけでなく、普段野菜を購入するときにもこういった「野菜の裏側の顔」が見える、その野菜のことが多く書いてある野菜を選んでその野菜の事を知ることで安心感は増加し、食べるときにさらにはおいしく食べることができます。
・どこで育ってきた野菜かわかる
・生産者の顔が見える
・野菜のこだわりが書いている
どういった情報でもかまいませんが、その情報は多ければ多いほど良いです。
これからは野菜だけでなくその野菜についての情報も見極め、その情報を意識し家族などと共有することで、より野菜との距離は近くなりおいしい食事にもつながるので、まずは産地や作った人の情報などすこしずつ気にするようにしてみましょう。
またこういった情報を子供の頃から意識することは、本当においしい食を見極める力にも繋がるので、おいしい食育の一環としてもお子さんが小さいうちから取り組むことを強くオススメします。