全ての野菜の中でもトップクラスの生産量を誇り、日本の食卓にふるくから深く根付いている「大根」。
サラダや大根おろしなどの生食はもちろん、煮ても焼いても手軽においしく食べることができます。
今回はそんな食卓になくてはならない美味しい大根の選び方や保存方法、大根を調理する上で知っておいてほしい基本情報。
あまり知られていない農家マル秘情報もお伝えしたいと思うので、是非ここで覚えてこれからの生活に活用してください。
180kcal/1kg(大根1本)
大根のきほん
大根の旬
大根はずばり「冬~春(11月~3月)」が旬になります。
今だからこそ年中いつでもスーパーにいけば手に入る大根ですが、涼しい気候を好むので本来は冬にとることのできる野菜です。
なので夏場の大根は冬場のものに比べて辛いものが多く、夏の大根は美味しくないという意見も多く聞きます。
たしかに夏の大根は辛くなりやすいですが、夏場でも涼しい高冷地の大根であれば夏でも昼夜の温度差が激しく、辛くないおいしい大根を食べることができるので、その時期にはそういった産地を意識すればおいしい大根を食べることができます。
大根の味
大根は1本で3つの味を楽しむことができるとてもおもしろい野菜のひとつです。1本のサイズが大きいのでなかなか手を出しづらいという方も多いかもしれませんが、次のことに意識すれば3回分の料理に使うことができます。
上部(葉に近い部分)…甘みがありしゃきしゃきとしているので、サラダにオススメの部位です。
中部…歯ごたえがあり一番太い部分になるので、煮物に使えば味がよくしみおいしいです。
下部(根の先の部分)…辛味が特に強い部分なので、炒め物や魚にあわせた大根おろしなどにおすすめです。
カットで買う際にも活用できるので、是非覚えておいてその日の献立にあわせて買う大根を選んでみてください。
大根の種類
古くから日本に根付いている大根。
一般的に多く出回っているのは首が緑色の青首大根ですが、京都の伝統的な「聖護院だいこん」や世界一の大きさである鹿児島の「桜島だいこん」など、現在もそれぞれの土地で古くから作られている大根がたくさんあります。
他にも季節に応じて太く煮物に向いた「味まるみ大根」、皮が紅く中が白い漬物にするときれいに染まる「紅しぐれ大根」など調理にあわせた変り種の大根もでてきているので、もし見かけたら買って違いを確かめてみてください。
大根の主な栄養
大根の葉には、ビタミンCやカリウム、カルシウムが豊富に含まれているだけでなく、βカロテンも多く含まれていて栄養が豊富です。
基本的には農家の元で処分されなかなかスーパーで目にすることはありませんが、稀に葉がついた状態の大根も売られていることがあるので、見つけたときにはラッキーだと思って買ってみてください。
一方で大根の根には消化酵素であるアミラーゼが多く含まれています。
これは胃腸の動きをサポートし胸焼けや胃もたれを防ぐだけでなく、のどの痛みや風邪の予防にも効果があるといわれているので、体調が悪いときや予防のためにも普段の食事に大根を取り入れることはとても効果的です。
ただしこのアミラーゼは熱に弱い性質があるので、食べるときにはサラダや大根おろしなど生で食べるとより効果を実感できると思います。
また他にも大根にはがん予防に効くといわれる食物繊維のリグニンも豊富にあるといわれています。
おいしい大根の選び方!
ポイント1「葉を見る」
もしも大根に葉がついていたら緑色が鮮やかでみずみずしいものを選びましょう。
大根の葉はとてもしおれやすいのでそういった大根があればかなり鮮度は高いです。
葉の部が切られている大根も葉の切り口を見れば、しおれ具合でその大根の鮮度を確認できます
ポイント2「表面の状態を確認する」
大根は白くすべすべした、肌にハリとつやがあるものがよい大根です。
また表面の毛穴があまり深くなく、毛穴もまっすぐと一列にきれいに並んでいる大根はあまりストレスがかかっていないので比較的おいしい大根である傾向があります。
実際に持ってみて、太くずしっと重みのある、中身が詰まった大根を選ぶようにしましょう。
ポイント3「カットの場合には切り口を必ず確認する」
1本では中身が見えない大根ですが、カットの場合には見れるのでカット大根は比較的に品質の確認が簡単です。
カット大根を購入するときには必ずその切断面を確認し特にスが入っていないことを確認しましょう。
(ス…中に白い点々があり、その部分の水分はすくなくスカスカな食感で味が落ちているもの)
便利においしく!大根をおいしいまま保つための保存方法!
もしも葉がついている場合には、すぐに葉を根から切り落とすようにしましょう。
そのままにしておくと葉が根の栄養や水分を吸い取ってしまい、味が落ちてしまいます。
葉は劣化しやすいので、刻んで水にさらしてから調理するか、さっとゆでて袋に入れ冷蔵保存がおすすめです。
(早めに使うようにしましょう。)
根の部分も水分が抜けるとしなしなでおいしくなくなってしまうので、夏はそのままラップッでびっちりと包んで冷蔵庫の野菜室に保存し、乾燥しやすい冬はぬらした新聞紙で包んで涼しい場所で保存するようにしましょう。
食育から幸せに!最高の大根を食べよう!
消化を助け、料理のかさましにも最適な大根。
大根そのものの味は薄いのでレシピしだいでは実に様々な使い方ができます。
これまで紹介してきた生での食べ方のほかにも、皮の部分を1~2日天日干しで乾燥させた「切り干し大根」は水分が抜け、さらに食物繊維と鉄分が豊富になるので妊婦さんにオススメの食品です。
取りたい栄養にあわせた調理方法を実践し、食卓のつよい味方である大根をうまく活用して、食卓をよりよいものにしていきましょう。